生成された10本のフィルタを、画面を見ながらREWに手で打ち直していたことがある。3本目のQを1.40と4.10で打ち間違えて、低域だけ妙に盛り上がった状態で一晩聴いていた。書き出しはそのための機能だ。
結論
Sonirから出るPEQは1形式だけ。REWの「Filter Settings」形式のテキストで、REWはそのまま読み込める。Equalizer APOは先頭2行のヘッダを外してPreamp:とFilter N:の行をconfig.txtに入れれば効く。中身はpeaking (PK) が最大10本と、クリップ回避の負のプリアンプ。生成のプレビューも書き出しも無料。
なぜ1形式で足りるのか
REWのFilter Settings形式が、この界隈の事実上の共通言語になっている。1行がフィルタ1本で、書式はこう。
Preamp: -6.0 dB
Filter 1: ON PK Fc 42.0 Hz Gain -6.00 dB Q 1.400
Filter 2: ON PK Fc 68.5 Hz Gain -3.20 dB Q 2.100
Equalizer APOのParametricEQ構文はこの行とほぼ同じ形をしている。だからSonirは形式選択のシートを出さず、1本のテキストで両方に届く。miniDSPを使っている人も、REWに読ませてから機種のバンド数に丸めるのが結局いちばん早い。
書き出しは1形式。REWは直接読み込み、APOはヘッダ2行を落としてconfig.txtへ
読み方も見ておくと後が楽になる。PKはpeaking、Fcが中心周波数、Gainが持ち上げ/削りの量、Qが幅で、大きいほど狭い。Sonirは20〜300Hz (既定) の残差が大きい山から順にフィルタを立てていくので、上のほうの行ほど効きが大きい。バンド数の少ない機材に移すときは、下の行から捨てる。
手順
- 校正済みマイクでスイープを測る: 自動PEQは校正ファイルを登録したマイクのときだけ生成される。録音ピークは -6〜-12 dBFS。
- FRカードをEQモードにする: 保存した測定を開き、周波数特性カードのトグルをFRからEQへ。実測とターゲット曲線が重なる。
- ターゲットとEQ上限を決めて生成する: フラット / 傾き / Harman / B&Kからターゲットを選び、EQ上限は既定の300Hz付近。「Auto PEQ生成」でフィルタ一覧とプリアンプ、緑のafterカーブが出る。
- 書き出す: 「PEQをエクスポート (REW/APO)」で共有シートへ。ファイル名は
sonir_peq_<測定ID>.txt。自分宛にメールするか、クラウドドライブに入れてPC側で開く。 - REWに読み込む: REWのEQ画面でフィルタ設定をファイルから読み込む。Fc / Gain / Qがそのまま入るので、打ち間違いが消える。
- Equalizer APOに移す: ヘッダ2行を処理して
Preamp:とFilter N:をconfig.txtに入れる。
APOでつまずくところ
書き出したテキストの先頭2行はこうなっている。
Filter Settings file
Generated by Sonir · https://sonir.app
REWはこれを読み飛ばすが、Equalizer APOのconfig.txtは行頭から構文として読もうとする。行頭に#を付けてコメントにするか、消す。# measurement:のようにもともと#で始まっている行はそのままで問題ない。
もう1つ。Preamp:の行を落とさないこと。ここには負の値が入っていて、ブーストしたぶんのヘッドルームを先に確保する役目がある。Sonirはブーストを +6 dBまでに制限しているが、それでも省けばその帯域で頭を打つ。低域は最もパワーを食うので、歪みは真っ先にここで出る。
慣れてきたら、config.txtに直書きせずInclude: sonir_peq.txtのように分けておくといい。部屋の模様替えや機材入れ替えのたびに測り直すことになるが、差し替えるのがそのファイル1つで済む。ちなみに複数の部屋やスピーカーを切り替えて聴いている人は、Includeする行をコメントで切り替えるだけでプロファイルの出し入れができる。
よくある質問
REW用とAPO用でファイルは分かれている?
分かれていません。書き出しは1種類だけで、REWの「Filter Settings」形式のテキストです。REWはそのまま読み込め、Equalizer APOは先頭2行のヘッダを外せばPreamp行とFilter行がそのまま通ります。
Preamp行は入れないとだめ?
入れてください。Sonirはブーストぶんのクリップを避けるために負のプリアンプを自動計算しています。これを省くと、+6 dBまでのブーストが乗った帯域で再生側が歪みます。
shelfフィルタは出力される?
出力されません。現在の自動PEQはpeaking (PK) のみで、最大10本です。ターゲットの低域の持ち上げも、シェルフではなくpeakingの重ね合わせで近似しています。
WiiMやRoon、miniDSPには書き出せる?
直接の書き出しは現状ありません。miniDSPはREW経由で読ませるのが実用的です。WiiMとRoonは未対応で、周波数特性のCSV (freq_hz,measured_db,target_db,error_db) を書き出して手で組む形になります。
書き出しは無料でできる?
できません。自動PEQの生成とフィルタ一覧、補正後予測カーブの表示から、ファイルとして持ち出すところまで無料です。
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Sonirで測る
Sonirはスマホで音響測定と比較を完結させるアプリです。スイープで周波数特性を測り、ターゲットとの差分から20〜300HzのPEQを自動生成して、REW / Equalizer APOに読ませられる形で書き出せます。測定から書き出しまで全機能が無料です。
App Storeでダウンロード。Android版は近日公開。詳しくは機能ページへ。